授業で使える詩( 14)「かんがえるのって おもしろい」(谷川俊太郎)
かんがえるのって おもしろい
かんがえるのって おもしろい
どこかとおくへ いくみたい
しらないけしきが みえてきて
そらのあおさが ふかくなる
このおかのうえ このきょうしつは
みらいにむかって とんでいる
なかよくするって ふしぎだね
けんかするのも いいみたい
しらないきもちが かくれてて
まえよりもっと すきになる
このおかのうえ このがっこうは
みんなのちからで そだってく
授業で使える詩(12)「日焼け顔見合うひてうまし氷水」
日焼け顔見合うひてうまし氷水
授業で使える詩(11)「春のうた」草野心平
春のうた
草野心平
ほっ まぶしいな。
ほっ うれしいな。
みずは つるつる。
かぜは そよそよ。
ケルルンクック。
ああいいにおいだ。
ケルルンクック。
ほっいぬのふぐりがさいている。
ほっおおきなくもがうごいてくる。
ケルルンクック。
ケルルンクック。
授業で使える詩(10)「のはらうた」工藤直子
「おれはかまきり」
かまきりりゅうじ
おう なつたぜ
おれは げんきだぜ
あまり ちかよるな
おれの こころも かまも
どきどきするほど
ひかってるぜ
おう あついぜ
おれは がんばるぜ
もえるひを あびて
かまを ふりかざす すがた
わくわくするほど
きまってるぜ
「どんぐり」
こねずみしゅん
どんぐりが ぽとぽとり
やぶのなか ころころり
のねずみが ちろちろり
おいしいぞ かりこりり
「あいさつ」
へびいちのすけ
さんぽを しながら
ぼくは しっぽに よびかける
「おおい げんきかあ」
すると むこうの くさむらから
しっぽが ハキハキ へんじをする
「げんき ぴんぴん!」
ぼくは あんしんして
さんぽをつづける
「しんぴんのあさ」
かたつむりでんきち
まいにち おんなじみたいだけど
まいにち いろんなことがおこる
こりゃおどろいた おやびっくり
へへえなるほどな ふうんそうか
まいにち しんぴんのあさがきて
ぼくのめ まいにちびっくりめ!
つんつんのばして びっくりめ!
「ひかりと やみ」
ふくろうげんぞう
みあげれば
よぞらの ほしが
まつりのように まぶしい
ああ
ひかるためには
くらやみも ひつようだ
「はしる」
こいぬけんきち
まえあしで ちきゅうをつかみ
あとあしで ちきゅうをける
まえあしで ちきょうをつかみ
あとあしで ちきょうをける
もっともっともっともっと
まえあしで ちきゅうをつかみ
あとあしで ちきゅうをける
いま ぼくは
かぜになる
授業で使える詩(9)「オワリはじまり」かりゆし58
『オワリはじまり』
もうすぐ今日が終わる やり残したことはないかい
親友と語り合ったかい 燃えるような恋はしたかい
一生忘れないような出来事に出会えたかい
かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい
夕飯時 町 人いきれ 「ただいま」と「おかえり」の色
せわしない 木漏れ日 花びら 「おはよう」と「さよなら」の音
ありふれた日々が 君や僕の胸に積もって光る
もうすぐ今日が終わる やり残したことはないかい
親友と語り合ったかい 燃えるような恋はしたかい
一生忘れないような出来事に出会えたかい
かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい
今動き始めたものや もう二度と動かないもの
今灯り出した光や 静かに消えて行く光
この夜の向こうで 新しい朝が世界に降り始めている
旅立ちの時はいつだって少し怖いけど
これも希望の形だってちゃんと分かってる
思い出に変わるのはきっと最後の最後さ
笑って「さよなら」を言えたらいいな
またすぐ明日に変わる 忘れてしまっていないかい
残された日々の短さ 過ぎ行く時の早さを
一生なんて一瞬さ 命を燃やしているかい
かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい
もうすぐ今日が終わる もうすぐ今日が終わる
かけがえのない時間を胸に刻み込んだかい
授業で使える詩(8)「みんみん」谷川俊太郎
みんみん
みんみん なくのは せみ
そうっと ちかづく あみ
はやしの むこうに うみ
きらきら かがやく なみ
よびごえ きこえる みみ
いちばん なかよし きみ
とこやに いったね かみ
まっかに みのった ぐみ